群馬のすべての子どもたちにCAPを届けたい
CAPとは、「子どもへの暴力防止プログラム」のことで、子どもが自分を守る力を育てることを目的としています。子どもが自分を大切な存在だと感じ、困難に直面したときに「相談していい」と思える力を育むことを目指すこのCAP。群馬県内で活動する「CAPぐんま」の理事長・宮下さんに、活動に込める思いや子育ての中での気づきを聞いてみましょう。
CAPとの出会いと活動を続ける理由は?
宮下さんがCAPと出会ったのは、ご自身のお子さんがまだ幼い頃。保護者として、そして非常勤で犯罪被害者支援センターの相談員として働く中でCAPの養成講座に参加したことがきっかけでした。
『“あなたは大切な人”と子どもに伝えられることが、安心の土台になります。その安心があるからこそ自信が育ち、やがて自分の自由を選ぶことにつながるのです。自己肯定感や自尊心を持てることが、子どもたちが将来さまざまな挑戦をしていくために欠かせないと思ったのです。』
その思いを胸に、以来CAPの活動を続け、現在は群馬の子どもたちに広くプログラムを届けています。
子育ての中での気づき
子育ての中では、感情的になってしまう瞬間もあるといいます。
『つい言いすぎてしまったり、子どもの安心を奪う言葉を使ってしまったり…。でもCAPで学んだ“あなたは大切な人”というベースがあるから、謝ったりフォローしたりしながら関係を修復しています。』
また、子どもと対等に「一人の人間として」関わる大切さを実感しているそうです。
『おとなだって間違えるし、安心できないときもある。それを素直に認めることが、親子関係をよりよいものにしてくれると思います。』
こうした姿勢の延長にあるのが「傾聴」の大切さです。
『傾聴は、やっぱり子どもとの関係性の中でもすごく大事だと感じているので、とにかく話を聴く。怒らずに聴けるように。』
忙しいときも、ただ聞き流すのではなく、 『あなたの話を聴きたくないのではなくて、聴きたいけど、今は忙しいからちょっと待ってて。後でちゃんと聴くからね』
と伝えることを大切にしているそうです。そんなやりとりの積み重ねが、子どもに「自分の話を聴いてもらえる」という信頼感を育んでいます。
プログラムの内容について
CAPのプログラムは、子ども向けだけではありません。保護者や教職員を対象としたワークショップも実施しています。
◎保護者向け
◎教職員向け
◎子ども向け(3歳~18歳まで、発達段階に応じたプログラム)
◎児童施設でのプログラム
◎障がいのある子どもにも届けられるもの
子どもワークショップでは、まず自分の権利について学んだあと、寸劇やロールプレイを通して「暴力に気づき、自分を守る方法」や「いやだ」と伝える方法、さらに信頼できる大人に相談する大切さを体験的に学びます。最後に設けられる「トークタイム」では、子どもたちが安心して思いを話し、相談できる時間を大切にしています。
だからこそ、子どもの声を受け止める大人が学んでおくことも欠かせません。
『お父さん、お母さんや先生に話せて、一緒に考えてもらえたという信頼感は大切です。そのためにも保護者・教職員の皆さんにCAPを届けたい。子どもが勇気を出して“相談してみよう”と思ったときに、おとながCAPを知らなければ受け止められないかもしれません。せっかくの子どものSOSを”話してくれてありがとう”と受けとめられるおとなであるためにおとな自身が学ぶことが必要なのです。』

