“今のままのあなた”から、一緒に次の一歩を探していく場所です
わせがく高等学校を運営する学校法人の原点は、大学受験の「予備校」にあります。一度受験に失敗した生徒が、もう一度挑戦するために学び直す場所――その経験から生まれた精神を高校にも広げようと、2003年に誕生したのが「わせがく高等学校」です。
「失敗しても、そこから何度でもやり直せる高校でありたい」と語る、前橋キャンパス副校長の丸山先生に、学校づくりに込めた思いや、子どもたちや保護者へのメッセージをうかがいました。
わせがく高等学校の学び
『子どもたちの個性は十人十色。その違いを枠にはめるのではなく、うまくいかなかったら、またいくらでもやり直しができる――そんな学校でありたいんです。』
丸山先生はそう語ります。
『今の時代は、答えがすぐ手に入ります。効率よく、失敗せずに進むことが良しとされがちで、失敗すると“ダメな自分”だと感じてしまう子もいます。でも本当は、失敗を重ねながら成長していくものですよね』と続けます。
親としては、できるだけ我が子に転んでほしくない。その一方で、「転び方」と「立ち上がり方」を学ぶことが、大きな力になることも私たちは知っています。
『いきなり大きな冒険をさせる必要はありません。けれど、もし転んでも“こうすれば大丈夫だよ”と支えながら、小さな経験を積み重ねていくことはできます。わせがくでは、体験活動や社会体験など、“まずやってみる”機会をたくさん用意しています。』
『ここから、もう一度やり直していいんだよ。』
わせがく高等学校は、そんなメッセージとともに、生徒と保護者のみなさんを迎えています。
人ひとりに合った「学び方」を一緒に選ぶ
わせがく高等学校は通信制課程の仕組みを生かし、毎日通う全日型、自分のペースで通学するコース、自宅中心で学ぶコースなど、いくつかの学び方を用意しています。
『できれば人と関わってほしい。だから対面のつながりを大切にしています。でも、小中学校でつらい経験をした子に、無理はさせません』と丸山先生は語ります。
人との関わりがしんどい生徒には、まずは自宅学習中心から始めることもあります。
入学後も、状況に応じてコース変更が可能です。毎日通うことに不安がある場合は、まずはお試し登校で全日クラスに入り、終わったあとに「どこがつらかったかな?」「どこはうまくいった?」と一緒に振り返ります。
『いかに自己肯定感を上げていけるかが、“生きる強さ”になります。“できた!”という感覚を少しずつ積み重ねてほしいんです』。
年に数回の面談にくわえ、必要に応じて医療・福祉・行政とも連携しながら、一人ひとりに合った学び方を一緒に探っています。『中には“生きていてくれてありがとう”というところから始まる生徒もいます。だからこそ、同じ人として、同じ目線で、一緒に考えることを大切にしています。』
無理をさせず、何度でもやり直せる仕組み。そこには、子どもたちの「安心のたね」をていねいに育てようとする、わせがく高等学校の姿勢が込められていました。
何でも話せる大人がいる場所
小中学校の環境が合わず、教室に通わない選択をした経験を持つ生徒も、わせがく高等学校には多く通っています。
『一人ひとり、抱えているものが違います。だからこそ、とにかく対話の時間を増やすことを大事にしています』と丸山先生は言います。
前橋キャンパスの職員室には、あえて壁がありません。
『子どもたちが自由に入ってきて、「先生、ちょっと…」と気軽に声をかけられるようにしています。私も副校長ですが、休み時間には教室に顔を出して「最近どう?」「ちゃんとご飯食べられてる?」と声をかけます。教員が“忙しそうにしない”ことも意識しています』と笑います。
『大人でも、目の前でバタバタしている人には話しかけづらいですよね。子どもたちが「今、聞いてほしい」と思ったときに、ちゃんと受け止められるようにしたいんです。』
丸山先生は、公認心理師の資格も取り、教育相談の立場からも子どもたちと関わっています。
親子だけではうまく言葉にできない気持ちを、第三者の大人がそっと受け止めること。ここには、そんな柔らかなまなざしと関わり方が息づいています。
